2014年 03月 05日
春愁
夜半からの雨がまだ続いて今日1日雨模様です。
一雨ごと春に近づいているようです。
木々の小さな芽吹きにも顔近づけてみると、
少しの色づきに笑みがこぼれてきます。
友からこんな日にはこんな詩が浮かんでくると・・
春愁
(ゆくりなく八木重吉の詩碑の立つ田舎を通って)
尾崎喜八
静かに賢く老いるということは
満ちてくつろいだ願わしい境地だ、
今日しも春がはじまったという
木々の芽立ちと若草の岡のなぞえに
赤々と光りたゆたう夕日のように。
だが自分にもあった青春の
燃える愛や衝動や仕事への奮闘、
その得意と蹉跌の年々に
この賢さ、この澄み晴れた成熟の
ついに間に合わなかったことが悔やまれる。
ふたたび春のはじまる時、
もう梅の田舎の夕日の色や
暫しを照らす谷間の宵の明星に
遠く来た人生とおのが青春を惜しむということ、
これをしもまた一つの春愁というべきであろうか。
まだまだ我が身老いたりを忘れ、青春のたそがれを楽しみたいと
あれこれを想い迷い、喜怒哀楽蹉跌ばかりの日々を過ごすばかりです。
by mikun77mukun
| 2014-03-05 12:16
| 日記